ZAMROCK Disc Guide 名盤10選
先日発表されたTyler, The Creatorのアルバム「CHROMAKOPIA」の先行シングル“Noid”で、ZAMROCKの代表格Ngozi Familyがサンプリングされたことにより、世界的に注目度が高まっている(?)ZAMROCK。
ここ日本でも一気に知名度を上げたのではないでしょうか?(そんなことないか・・・)
そんな史上最も注目されている時なのに、日本語の文献すら無いというのがこの音楽の実情。
じゃあZAMROCK研究家の僕が、ディスクガイドを作っちゃおう!というシリーズ企画でございます。
ZAMROCK研究家を自称していただけなのに、最近実際に研究家として紹介されることもちらほらあり、「わーわー騒いでいたら本当に研究家になっちゃった人」みたいになってきました。
好きこそものの上手なれ。ですからね。
世界で最も稀少なZAMROCKのレコード。
そんなレコードのディスクガイド。
製本時の見出しは「絶対に手に入らないレコードのディスクガイド」とでもしておきましょうか。
ZAMROCKとはなんぞや?という方は、まずはこちらの記事をご覧ください。
ZAMROCKってなんだ?
それではまずはこのジャンルで最初に聴くべき、いや、最後にたどり着くべき?ZAMROCKの最高峰に君臨する名盤10枚をご紹介いたします。
こちらの10枚は全て再発されていますので、レコードで手に入れることも、CDで聴くことも、サブスクで聴くことも可能です。(一部サブスクには無いものも)
写真は全て1970年代のザンビア・オリジナル盤で、日本のレコードと比較にならないほど悲惨なジャケット状態から、その稀少性が伝わるかと思います。
それでは1970年代にアフリカの奥地、ザンビア共和国で巻き起こった奇跡のサイケデリック・ロック・シーンのお楽しみください!
親切な研究家は、タイトルをクリックするだけでSpotifyで聴けるリンクを貼っておきました。
気になったらぜひ聴いてみてください!
ZAMROCK名盤10選
Witch – Lazy Bones!!
1975年作
Emmanuel Jagari Chanda率いるZAMROCKシーンを代表するバンド、Witchの代表作
これがアフリカの奥地で人知れず作られていたとは驚愕
青く輝くザンビアの秘宝
Amanaz – Africa
1975年作
ザンビアのVelvet Underground?!
民族音楽のような土着的なジャケットとは裏腹に、ダウナーな空気が漂う煙たいアンダーグラウンド・ロックを展開
通常のミックスと、リヴァーブが掛かったミックスの2種類が存在
Rikki Ililonga – Zambia
1975年作
Musi-O-Tunyaのフロントマンによる、祖国の名を冠した1stソロ・アルバム
Musi-O-Tunyaの名盤「Wings Of Africa」を踏襲するサイケデリックなサウンド
Musi-O-Tunya – Wings Of Africa
1975年作
Rikki Ililonga率いるバンドの1stアルバム
ホーンを含むファンクの質感と、ファズ・ギターのサイケ・ロックの融合
ZAMROCKはBlack Sabbath × James Brownなどと形容されることがありますが、彼らのスタイルはOsibisaでしょうか
“Dark Sunrise”は必聴の名曲
Salty Dog – Salty Dog
1976年作
雷鳴に耳を劈く激しいファズ・ギターの応酬
ZAMROCKシーンの中でも最もハードなサウンドを展開する、Salty Dogの唯一のアルバム
※Salty DogだけSpotifyになかったので、2曲だけのプレイリストになっています
Ngozi Family – Day Of Judgement
1976年作
サイケか、ファンクか、はたまたプロト・パンクか
初期衝動と呼ぶに相応しい荒々しさで突き進む、野生系ギタリストPaul Ngoziが率いるNgozi Familyの1stアルバム
Ngozi Family – 45,000 Volts
1977年作
ZAMROCKシーン随一のワイルドマン、Paul Ngozi率いるNgozi Familyの絶頂期の名作
アルバム冒頭の名曲”Nizakupanga Ngozi”は、Tyler, The Creatorが2024年”Noid”でサンプリング
Chrissy Zebby Tembo & Ngozi Family – My Ancestors
1976年作
Ngozi Familyのドラマーで、Paul Ngoziの幼馴染み、Chrissy Zebby Temboの1stソロ・アルバム
Ngozi Family全面バックアップで、実質Ngozi Familyのアルバムとも言える内容
“Trouble Maker”は、ブラック・サバス直系のザンビア産ストーナー・ロック
2000年代以降最も多く再発されている、ZAMROCKを代表する名盤
Oscillations – I Can See It Coming
1978年作
ギタリストVictor Kunda Kasomaが率いる4ピース・バンド、The Oscillationsがシーン最後期の1978年に残したアルバム
Salty Dogに並ぶハードなスタイルと、ジャケットのアートワークが素晴らしい
シーン初期から活動する彼らですが、リリースはこのアルバム一枚のみで、おそらくシングルも残していない
Born Free – Mukaziwa Chingoni
1975年作
ソロ・アルバムも残すMike Nyoniが率いるバンド、Born Freeの唯一のアルバム
Mike Nyoniの才能を全面に押し出したファンク色の強いサウンドで、サイケデリックな質感とラフでダウナーなファンクネスが、辺境のレアグルーヴを演出
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