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若林の気まぐれコラム#5「Tommy Bolin – Teaser」

1970年代のロックをリアルタイムで聴いていたお客さんが、コレクションの整理を兼ねて定期的にロックやジャズのレコードを売りにご来店していただける。
ご自宅から近いとはいえ、数あるレコード店の中から当店のような小さなお店を選んでくださったことに、とても感謝しています。いつもありがとうございます!

 

持ってきてくれる内容も素晴らしく、いつもわくわくさせられる。それに、リアルタイムの世代にしかわからない当時の空気感や、ベテランのレコード愛好家だからこそわかるプレスの違いによる音質など、いろいろな話しができるのも大きな楽しみである。

 

先日ご来店した際も、轟音プレスで有名なレッド・ツェッペリンの1stと2ndアルバムのUSオリジナル・プレスについてご享受いただけたりと、レコード談義に花が咲いた。
その際に一番盛り上がったのが、今回のテーマであるトミー・ボーリンの1stソロ・アルバム「Teaser」についてだったのだ。

 

Led Zeppelin – Led Zeppelin / SD 8216 / 轟音USオリジナル・プレスはこちら

 

お客さん曰く、リアルタイムでレコードを買って聴いたときはかなりの衝撃を受け、今でも大好きなアルバムの一枚だという。
そして、トミー・ボーリンがいかに偉大なミュージシャンであるかを熱く語ってくれたのだ。
(ただ、トミー・ボーリンは、当時の王道ハードロック・ファンの間では評価が二分していたようで、周囲の音楽好きの友人たちでさえ、彼の良さを理解していなかったんだとか…。)

 

そんな、お客さんの熱意が伝播したぼくは、その場ですぐにSpotifyで再生して聴いたのだ。そしたら、あまりのかっこよさにびっくり。

 

もちろん、トミー・ボーリンの存在は知っていたけれど、ディープ・パープルの2代目ギタリストという認識しかなく、ジェイムス・ギャングに在籍していたことも、ビリー・コブハムの「Spectrum」での火花散るギター・プレイで一躍有名になったことも恥ずかしながら知らなかった。
このアルバムは過去に一度聴いたことが有ったような無かったような…。
なぜ、今までちゃんと聴いてこなかったのだろうと思うほど、このアルバムに感銘を受けてしまった。

 

そのときのぼくの興奮が伝わったのか、数日後、トミー・ボーリンのレコードをさっそく持ってくれたのだ。そして、1stアルバム「Teaser」のUSオリジナル・プレスとセカンド・プレス、それと次作「Private Eyes」の国内盤を買取させていただいた。
ちなみにお客さんは、プレス違いで何枚も持っているそうです。恐るべし、トミー・ボーリン愛!

 

こんな経緯もあって、ぼくはすっかりトミー・ボーリンの虜になってしまったのだ!

 

 

さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからは今回のテーマであるトミー・ボーリン「Teaser」について、ぼくなりにご紹介いたします!

 

 

トミー・ボーリンはハードロック・バンド、ゼファーのギタリストとして17歳でプロ・デビュー、その後、ジェイムス・ギャングでの活動、ビリー・コブハム「Spectrum」への参加を経て、リッチー・ブラックモアの後継者として第4期ディープ・パープルの中心的役割を果たすが、1976年、25歳の若さで薬物の過剰摂取により亡くなった悲劇の天才ギタリストである。

 

↑ジェフ・ベックをも驚かせた、この火花散るギター・プレイは、トミー・ボーリンの名を一躍有名にした

 

↑WEB上にはないですが、店頭では販売しております

 

亡くなる前年に発表したのがこの「Teaser」だ。参加しているミュージシャンは、デイヴィッド・フォスター、ジェフ・ポーカロ、ヤン・ハマー、デイヴィッド・サンボーンに加え、ちょっと意外なフィル・コリンズ、クレジットされていないグレン・ヒューズなどなかなか豪華な顔ぶれ。

 

スライド・ギターが冴え渡るファンキー・ハード・ブルースA-1”The Grind”、ヤン・ハマーかと思いきやデヴィッド・フォスターのシンセが躍動するコズミック・ジャズ・ファンクA-2”Homeward Strut”、十八番のスパニッシュ・ナンバーA-4”Savannah Woman”、デイヴィッド・サンボーンの泣き節をフィーチャーしたレゲエ・タッチB-1”People, People”など、様々な音楽性を盛り込んだバラエティーに富む内容。

 

 

ジェフ・ベックと同時期にクロスオーバー・サウンドへのアプローチを試みた1970年代ロックの代表作のひとつだと、改めて思います!

 

これまで、スルーしていた人も、まったく聴いたことがなかった人も、この機会にぜひチェックしてみてはいかがだろうか。もしかしたら、ぼくのように虜になるかもしれない!それに、トミー・ボーリンのような高価でもレアでもない”普通”のレコードが、あなたにとって”特別”な一枚になったら最高ですよね!

 

 

というわけで、オリジナル・プレスとセカンド・プレスを店頭に追加しました!