フェイク・レガエとはなんぞや?
ディスコのフィールドで特大ヒットを飛ばしたロック・ミュージシャン、ロッド・スチュワート。
今やヒップホップの代名詞となったスクラッチを、初めて楽器として曲に取り入れたジャズ・ピアニスト、ハービー・ハンコック。
こういう畑違いのミュージシャンが新たな音楽に挑戦する姿って、なんだか良くないですか?
古くからのファンに批判されるリスク。
有名であればあるほど安泰を捨てる恐怖。
それらにも勝るミュージシャンとしての探究心がとても魅力的に映ります。
今日のお話は、カリブの小さな島国で生まれたレゲエという音楽。
1960年代の後半、ジャマイカで生まれた心地良い裏打ちリズムの音楽は、瞬く間に世界中へと広がりました。
日本ではその昔 “レガエ” と呼ばれたとか。
ボブ・マーリーら有名アーティストの活躍により、今では世界的に人気のジャンルに成長しました。
しかしこのレゲエの繁栄は、一小国ジャマイカのミュージシャンだけによって成し得たものではありません。
前述のボブ・マーリーの楽曲、”I Shot the Sheriff”をカヴァーしヒットさせた、エリック・クラプトン。
アメリカにおける最初のレゲエ・ヒット、”Mother And Child Reunion (母と子の絆)”を生み出した、ポール・サイモン。
レゲエの他にも、ボサノヴァ、ディスコ、中東音楽など、時代の潮流と言うより自らの興味の向くままに様々な音楽に触手を伸ばしたジャズ・フルートの開拓者、ハービー・マン。
今や最も人気のあるジャンルの一つとして定着したレゲエは、これらレゲエ畑の外のミュージシャン達の手によって世界中に広められました。
レゲエが持つ独特なリズムと雰囲気が、多くの音楽家を魅了したのでしょうね。
先月、FAMの店内のNew Arrivalコーナーの隣に突如出現した「フェイク・レガエ」というコーナー。
見慣れないワードに、打ち間違えか?と困惑した方もいるかもしれません。
先に紹介した畑違いのミュージシャンによる “探求心” の成果を、レゲエにスポットを当てて集めてみました。
和レゲエ、ディスコ・レゲエ、ジャズ・レゲエetc.
レゲエ畑以外のミュージシャンが手掛けた、なんちゃってレゲエ音楽。
名付けて「フェイク・レガエ」
ちょっとだけ紹介しましょうか
Frank Wolff Solo Und Kurorchester – Frank Wolff Solo Und Kurorchester
ドイツの異才チェロ奏者Frank Wolffが伴侶のAnne Barenzや70年代ジャーマン・ロック界を渡り歩いた猛者、Rainer Marz等と共に極小レーベルに吹き込んだ知られざる一枚。
コンテンポラリーなチェロの独奏や合奏、コンボによるプログレッシブ・ジャズ・ロックなど、真面目と娯楽を行き交うユニークな楽曲編成。
そんな中でも、異色のフェイク・レガエB-1”Real Good Time”が◎
天江恵子 – スモーキン・プレリュード
クラシック界で活躍するハープ奏者 天江恵子がフュージョンに挑戦した一枚!
上田力Pro.&Arr.、清水靖晃、本多俊之や、The Brothers JohnsonのベーシストLouis Johnsonも参加!
極上メロウ・レゲエ・ジャズA-2″Nothing But Love”が心地良すぎてとろけます~
南佳孝 – モンタージュ
YMOの面々をはじめ豪華な顔ぶれが参加した5枚目のアルバム
和モノ・アーバン・レゲエの定番B-1”Midnight Love Call”収録
Flora Purim – Carry On
ジョージ・デュークがプロディース!
ジルベルト・ジル作のブラジリアン・レゲエA-1″Sarara”
ジョー山中&ザ・ウェイラーズ – レゲエ・ヴァイブレーション
フラワー・トラベリン・バンドで和製サイケデリックを創造し、「人間の証明」を経て、レゲエへと傾倒したジョー山中が、ザ・ウェイラーズと共にジャマイカのTuff Gongスタジオで録音したジャパニーズ・レゲエ最初期の名盤
A-2″Reggae Vibration”を筆頭に、全編ボブ・マーリー直系のルーツ・レゲエを披露
これはフェイクでもなんでもない!ホンマモンのレガエ!
「フェイク・レガエ」コーナーの一覧は
こちらより
ぜひ探求してみてください~
hair & music parlour FAM 店主
DJ ton