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エチオピアの伝説に会ってきた

ちょっと大げさなタイトルにしすぎたかもしれないが、ウソではない。

 

先日、東京の立川ステージガーデンにて開催された「FESTIVAL FRUEZINHO 2024」に行ってきた。

フアナ・モリーナ、サム・ゲンデル、折坂悠太・・・

いずれも個性的で魅力的なミュージシャンが揃う。

どのミュージシャンもイベントの目玉になり得る素晴らしいアーティストだ。

 

そんな中で一際異彩を放つおじいちゃん。

彼こそ僕がこのフェスへ足を運んだ最大の目的、エチオピアの70年代音楽シーンを牽引した偉大なミュージシャン、ムラトゥ・アスタトゥケだ。

 

 

 

世界には数え切れないほど多くの音楽が存在する。

耳馴染みの良い音楽から、形容し難い謎の音楽。

独特な旋律を奏でる音楽も多く、タイの音楽や、我が日本の民謡や演歌なんかも、世界の人々が聴けばかなり独特に響くだろう。

そんな多種多様な音楽の中でも、僕が最も特異と感じるのが、東アフリカの内陸国 エチオピアの音楽だ。

 

聴けば一発でそれと分る魅惑の旋律。

ペンタトニックの特有の音階に、6/8拍子のリズム。(4/4拍子もあるよ)

歌謡曲っぽい音楽から、天然物の幻覚音楽、なにを真似たか強力なファンクのリズムを持ったものなど、単にエチオピアの音楽と言っても様々な種類があるが、特に有名なのがエチオ・ジャズと呼ばれるサウンドだろう。

 

1970年代に最も多く創られたエチオ・ジャズ。

そのシーンの生みの親こそ、御大ムラトゥ・アスタトゥケなのだ。

 

1950年代にイギリスへ留学、60年代には活動の拠点をアメリカへ移す。

ラテン・ジャズとの出会いを経て、1972年にNYで後の代表作となる名作アルバム「Mulatu of Ethiopia」を制作。

その後、祖国へ戻り、エチオピアの名門レーベルAmha Recordsより「Ethio Jazz」と、複数のシングル・レコードをリリース。

この2枚のアルバムはエチオピア音楽、エチオ・ジャズを語る上で、絶対の絶対に外せない作品なので、ぜひ聴いてみてほしい!!!

 

エチオピアのレコードのレアリティについては以前の記事でも少し触れたので、くどくど言いませんが、やはりとびっきり稀少!

その中でもムラトゥ関連のレコードは特に人気があり、ほとんど市場に姿を現しません。

先述のアルバムを当時のオリジナル盤で手に入れるなんて夢のまた夢・・・

おそらくウン十万クラスでの取引だと思いますが、お金を積めば手に入るレア盤とはわけが違うので、入手難易度は奥深きレコード・コレクター世界の中でもトップ・クラスの部類でしょう。

僕がなんとか手に入れた「Ethio Jazz」なんて、ジャケはなく、盤は割れ、針飛びオンパレードで、ホントに手に入れたと言っていいのやら・・・なシロモノです。

 

 

そんな稀少なアルバムなのに、軽々しく「聴いてみてください」じゃねーよ!と思っているあなた。

安心してください!聴けますよ!

便利な世の中になったもので、僕が死にものぐるいで探してやっとの思いで手に入れたボロクソ盤の音楽も、今やサブスクで手軽に聴けるようになりました。

アナログ・レコードやCDなどでも再発されているので、フィジカル派の方はこちらを狙いましょう。

オリジナル盤は・・・「欲しいと考えない!!」これが鉄則です笑

 

 

 

 

 

エチオ・ジャズとエチオピア産レコードのお話が長くなりましたが、本題の「FRUEZINHO 2024」でのムラトゥの公演。

めっっっっっっっっちゃくちゃ素晴らしかった!!!!!!

語彙無しで申し訳ないが、本当に素晴らしかった!!!

 

御年80歳のエチオピアの伝説は、必要最小限の動きで、それでいて圧倒的な存在感を放っていました。

薄明の時を過ぎ、初夏の太陽が夕闇に落ちた頃、ムラトゥのヴィブラフォンから紡ぎ出される異国の旋律。

独特な音階と幻想的なヴィブラフォンの響きが、照明の演出も相まって、妖しく光る。

輝くとか、煌めくとかじゃない。じわ~っと浮かび上がるような妖しい光。

 

 

 

これまでの人生で最も素晴らしい体験。

ライヴ観て感動するたびに、”これまでの人生で一番”って言ってる気がするけど、人生で一番の感動がたくさんあることはとても嬉しいことなので問題なし。

 

 

ほとんどの時間を車椅子で行動していたそうですが、ライヴでは力強く自らの足で立つ彼の姿にミュージシャンとしての誇りと魂を感じました。

 

 

 

そんな感動的なムラトゥのお話には続きがあります。

今回初めて訪れたFRUEZINHOというフェス。

どんな環境なのか分からなかったが故に、厚かましくも「もしかしたらサイン貰えるかも?」と密かに企んでいた僕は、名古屋からムラトゥのレコードを持参していたのだ。

でも実際に着いてみると、フェスというよりコンサート会場の要素が強い立川ステージガーデンという場所で、サインはちょっと無理そうだな~なんて思っていました。

 

 

でも信じていれば願いは叶うものですね。(柄にもないこと言いますが・・・)

多くの奇跡的な出会いに導かれて、なんとムラトゥ御本人からサインを戴けたのです!!!!!

感動!!!!!再び語彙無し!!!!!

 

 

二階美容師はフアナ・モリーナとのツーショットをいいことに、今ではフアちゃんと呼んでいる・・・

 

 

 

話は少し脱線しましたが、そんな妖しくも魅力的なエチオ・ジャズ~エチオピアン・ミュージックの世界。

当店では1970年代のオリジナル盤を中心に、エチオピアのレコードを取り扱っております。

日本でもこれらのレコードが並んでいるレコード店はほとんどないと思います。

なぜこのようなレコードが置いてあるんですか?どうやって仕入れているんですか?と、良くお客さんから質問されます。

答えは至ってシンプル、「この音楽が好きだから」です!

 

エチオピア音楽に興味がある人、その特異な旋律に取り憑かれた人、将来的に取り憑かれる予定の人etc.

当店自慢のエチオピア産レコード・セレクションはこちらより!

 

ムラトゥ関連作もありますよ!

Abebe Haile Michael – Marta

Mulatu Astatkeによって結成されたバッキング・バンド、Wallias Bandのレーベルからリリースされた、極めて珍しい一枚

プロデュースとアレンジはもちろんWallias Band!

 

 

Tilahun Gessesse – Kulun Manqualesh

両面ともにMulatu Astatkeアレンジ!

エチオピアを代表する男性シンガーによる、妖しさと異国情緒満点のディープ・エチオ・グルーヴ

 

 

 

ちなみにエチオピア人の性格は、京都人的だとか・・・

間違ってもムラトゥに「鉄琴、お上手どすな~」なんて声を掛けるべきじゃないのかもしれない・・・