初期韓国HIPHOPの探求
こんにちは！1Fレコード店 店主のtonです！
先日、妻(二階美容師)と友人と共に韓国を旅行してきました🇰🇷
飲んで食ってDJして飲んで食って飲んで飲んでの完全プライヴェートな旅でしたが、空いた時間にレコードを探しに行きたくなるのはレコ屋の性、というか音楽好きの習性。
さて韓国でどんなレコードを探そうか？？？
大韓ロック？コリアン・シティポップ？
この辺りはもうすでに先駆者がいるし、あんまり僕らしくもない。僕らしくないということはFAMらしくもない。
韓国といえば今はとってもヒップホップがお盛んな国。
アメリカに次ぐ世界有数のヒップホップの産出国になったと思います。
じゃあそのルーツは？
1970年代後半にアメリカで生まれ、80年代ごろ日本へ伝わったヒップホップ。
いとうせいこうやTiny Panxなど、日本語でラップを試みた先人達によって、日本でも今や市民権を得る音楽のジャンルとなりました。
もちろんこの現象は日本だけでなく、当時世界中で巻き起こったと考えるのが当然でしょう。
ということは、この韓国でもヒップホップの初期衝動を表現し、現在世界的に羽ばたいたK-HIPHOPの礎を築いた人たちがいるのではないか？
そんな思いで、90年代初頭の初期韓国ヒップホップや、レゲエ、クラブ・ミュージックを落とし込んだ90’sコリアン・ポップスのレコードを探求してまいりました💪💪💪
ただ、韓国でヒップホップが芽吹いた時代は、すでにCD全盛の世の中。
レコードは元々のプレス枚数が少なくとても稀少です。
これが現代のK-HIPHOPの源流。世界中に飛び火したヒップホップの亜種。
天邪鬼なヒップホップ・ヘッズから、ワールド・ミュージック好き、ポピュラー・ミュージック史の沿革に興味がある変態さんまで！
なかなか日本では見かけられなさそうなタイトルを現地で集めてきましたので、ぜひこの機会に知られざる初期韓国ヒップホップの世界へ👋🇰🇷
一部の商品を除き、オンラインショップで試聴&購入が可能です。
お近くの方は店頭受取も便利ですので、ぜひご利用ください。
オンラインショップはこちら
気合いの全タイトル試聴動画を録りました！
僕のレコメンド文とともに、いろいろ聴いてみてください！
Hyun Jin-Young – New Dance 2
韓国ヒップホップ・シーンのパイオニアの一人、Hyun Jin Youngの2ndアルバム！
ヒップホップといっても、ラップを取り入れたダンス・ポップが大半で、ヒップホップの魂を感じるような楽曲は殆どありません。
このアルバムもそんな色が強いのですが、一曲だけこの時代の韓国にしてはかなり尖ったハードコアなヒップホップが！
N.W.A “Appetite For Destruction”のトラックに、定番アーメン・ブレイクを合わせたA-4″너는 왜?”は、コミックでポップな他の楽曲とは一線を画す、コリアン・ニュースクール・ヒップホップのキラー・チューン！
Seo Taiji And Boys – II
韓国ヒップホップ・シーンのパイオニア！
オルタナ～ロック色を強め、社会意識の強いグループへと転換した2ndアルバム！
Rick Rubin顔負けのヘヴィなロッキン・トラックに歯切れ良いハングル・ラップが乗る、Beastie Boysタイプのコリアン・ラップA-2″何如歌(하여가) ”がキラー！
稀少な韓国オリジナル・アナログ・プレス！
Hyun Jin-Young – New Dance 3
韓国ヒップホップ・シーンのパイオニアの一人、Hyun Jin Youngの3rdアルバム！
今でこそ世界を代表するヒップホップの産出国となった韓国ですが、この頃はまだまだかなりイナたい。
今作もヒップホップ的なビートではあるものの、歌モノが中心のヒップホップ・ダンス・ポップといった雰囲気。 それでも前作、前々作に比べるとラップのフロウに多彩さが加わった印象です。
BDP “South Bronx”のビートをサンプリングしたB-1″바로 너”と、Johnny Gill “Rub You The Right Way”使いのNJSナンバーA-1″두근두근 쿵쿵”がお薦め！
Hyun Jin-Young And Wawoowa! – New Dance 1
韓国ヒップホップ・シーンのパイオニアの一人、Hyun Jin Youngの記念すべき1stアルバム！
とはいえこの作品はまだまだヒップホップ色は薄めで、エレクトロ風のトラックに歌モノが中心のダンス・ポップといった趣き！
イナたいスクラッチも混じえたスカスカ・ビートにラップを乗せた、コリアン・オールドスクール・ヒップホップA-4″사랑찾기”、A-1″슬픈 마네킹”のインスト・ビートA-5辺りが最もヒップホップ度高め！
このアルバムこそが韓国産ヒップホップの元祖にして源流！
Seo Taiji And Boys – 서태지와 아이들
韓国ヒップホップ・シーンのパイオニア！
Seo Taiji率いるボーイズ・グループ、Seo Taiji And Boysの1stアルバム！
NJS影響下のビートにラップとヴォーカルの組み合わせは、若干の三浦大知感を否めないですが、これが現在世界規模にまで成長したK-POP～K-Hip Hopの源流なので、ポップ・ミュージック史においては重要な作品だと思います！
お薦めは、AC/DC “Back In Black”使いのコリアン・オールドスクール・エレクトロ・ラップB-4″Rock’n Roll Dance (’92 Heavy Mix)”！
노이즈 (Noise) – Sound Shock
韓国音楽シーンにおいて、いち早くエレクトロニックなダンス・ミュージックの要素を取り入れた、男性4人組グループNoiseの記念すべき1stアルバム！
「TECHNO RAVE + HIP HOP + HOUSE MUSIC」とジャケにあるように、エレクトロニックなダンス・ミュージックと、ポップ・ミュージックを混ぜ合わせた内容！
とはいえまだまだかなりイナたいサウンドですが、彼らの挑戦こそが後に訪れる世界的K-POPブームの礎になったのは間違いありません！ The J.B.’sの定番ネタ”The Grunt”の有名な高音トランペット・フレーズをサンプリングしたB-3″네가 떠난 자리에”などを収録！
헤비스 (Heavy’s) – 노가바 (No Cover Album)
韓国の90年代に活動した4人組ポップ・グループHeavy’sの、おそらく唯一のアルバム！
ヒップホップやハウスなど90年代らしい打ち込みビートを取り入れた音楽性は、後の韓国のダンス・ポップ・シーンの先駆けとなった先進的なサウンド！
韓国版EAST END×YURI！？初期コリアン・ラップを披露する90’sメロウ・ポップ・ラップA-2″시험전날밤 잠만 쏟아지고”、90’s韓国を代表するバンド015Bのヒット曲”Very Longtime Lovers”をカヴァーしたA-4″아주 오래된 사람들”、大沢誉志幸 “そして僕は途方に暮れる”に似たトラックのポップ・ナンバーA-3″세상에 모자란 사랑만큼”などを収録！
K-POPのルーツを探る貴重な一枚です！
캡틴퓨쳐 (Captain Future) – Vol.1
ヒップホップ影響下のグルーヴィーなエレクトロニック・ポップを展開する、韓国のグループCaptain Futureの1stアルバム！
Go-Goテイストなエレクトロ・ファンクA-1″There’s No Music But’Captain Future’”、イナたいスクラッチをフィーチャーしたヒップホップ・ビートA-3″봄 여름 가을 겨울”辺りがお薦めです！
韓国版バブルガム・ブラザーズみたいな雰囲気です！
김준기 (Kim Jun-ki) – 사랑은 가도 주어요 / 지난 여름 엣세이
韓国のドラム/パーカッショニストKim Jun-kiの、おそらく唯一のアルバム！
詳細は不明だが韓国の音楽シーンにおいていち早くレゲエをポップ・フィールドに取り入れたであろう音楽性で、コリアン・レゲエ・ポップA-1″사랑은 가도 추억은”、A-2″지난 여름 엣세이”、A-3″헝크러진 머리”などを収録！
フローティングでポップな質感が良いです！
희자매 (Hee Sisters) – 희자매 1집
韓国版スリー・ディグリーズ的な？ディスコ・フィールなコリアン歌謡を披露する、女性3人組グループHee Sisters(ヒジャメ)の1stアルバム！
ファンキーなA-2″우리는 사랑해요”を筆頭に、B-3″달무리”、B-1″아리랑 내님아”など、良質な大韓ディスコが多数！
随所に散りばめられたスペーシーなアレンジも良いです！
※目立ったキズは見受けられませんが、A-1、B-1でチリノイズが出ます。
윤승희 (Yoon Sung Hee) – 제비처럼/추억의 길
70年代韓国歌謡の女性シンガー、Yoon Sung Heeの2ndアルバム！
オーティス・レディングの”I Can’t Turn You Loose”みたいな突き抜け感を持つ、ファンキー・コリアン歌謡A-1″제비처럼”がイチオシ！
和モノに飽きてきた方や、天邪鬼なDJさんは、亜モノ最僻地のこの一枚を！
※状態難ありのため店頭販売のみ